紅白
昨年末、久しぶりにじっくりとNHKの「紅白歌合戦」を観たような気がします。
中でも時代のテクノロジーを感じたのは、「AI美空ひばり」でした。
生前の美空ひばりさんの唄声はテレビで流れる程度しか知り得ませんが、そこにはAIのひばりさんがいました。
「AI」とは“artificial intelligence”の略称で人工知能のことです。
過去の美空ひばりさんの歌声をデータとして学習し、そっくりに歌い上げるのが「AI美空ひばり」です。
おまけに「川の流れのように」を作詞した秋元康さんが今回のために作った、完全に新たな曲(あれから)を歌い上げる高難易度のミッションです。
完成までには紆余曲折があります。(ヤマハのプログラマー大道さんには敬意を表したいです。)声の構成はメイン・音程・タイミング・ビブラート・音色の五段構成です。たとえばメインとビブラートという通常の場合や、この場合、その場合のビブラートの出し方。
あえて音程の外すなどのさまざまなテクニック、「か」の音に普通の歌手には出し得ない倍音があることまでを突き止めます。
ひばりさんの声の奥深さまでを学習しているのは脅威でした。
注意点としては、あくまで過去にある声を学習範囲とすることです。
それでもその威力は充分にすさまじく、すでに亡くなっている世界的なアーティストの、アレサ・フランクリンやマーヴィン・ゲイ、ジョンレノン、マイケルジャクソンなどなど。
彼らの新しい曲が今後発売される可能性が出てくるのです。
「AI美空ひばり」を聴いて、非常に感動したのは間違いないです。
しかし、それはひばりさんに会えた感動ではなく、技術的な感動の方が勝りました。
むしろ、その前後に歌ったビートたけしさんが売れない時代を回顧した「浅草キッド」の曲の方が、悲哀が心に響きました。当然ながら歌唱力はひばりさんの方が彼より上です。
ですが心に響いたのです。
その答えを考えると、“そこ”にいるという歌い手の“実体・経験”がないからと考えました。
私は40代なのでその世代の感性かもしれませんが、そこにいないという実体性による現実味の無さ、実体がないから「AI美空ひばり」には人間としての奥行き(経験)がなかったと感じたのです。
それはAIだからやむを得ないとも思われますが、現時点での技術の“スゴさ”はあります。
もう一度申し上げますが、「AI美空ひばり」は過去に発生した声を学習範囲としています。
つまり、明るいトーンの声しか過去に無い場合は、悲しいトーンの声は出せません。
今後、過去の声という縛りがなくなって、AIに予測性=イマジネーションが加味されれば脅威の技術になるのでしょう。
またはひょっとしたら、“実体・経験”の克服もありえるかもしれません・・・。
抱負
世の中の変化は早いです。
それは「AI」などの技術だけではなく、世の価値観も移り変わります。
ベジタリアン=菜食主義の上を行く、完全菜食主義者(ビーガン=Vegan)という言葉を私が始めて知りえたのは約20年前です。
その当時の私の認識は、ビーガンはマイノリティ(少数派)な存在で、日の目をみる機会はありえないかな、と思っていました。
ですが、現在ビーガン専用のレストランが数軒、日本でも誕生しています。
世の中の流れはとても早いのです。
以前より言われている世の通説として、近い将来サービス業はAIに取って代わられる…。「AI美空ひばり」を見たことによって、その将来は現実性があることを実感したような正月でした。
これからAIの技術は飛躍的に伸びるでしょう。
今後10年~20年で驚異的な発展を遂げるかもしれません。
わたしはその間も人間の占い師としてAIに負けないように、切磋琢磨して樹門流占いに精進していこうと思います。
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